消えていった試作機たち






AVE−1の完成に至るまで、4台の試作機を製作しました。
また、合計3回の大掛かりな改造を行いました。(大掛かりな改造 = 新たに試作するのと同じ位の手間がかかった改造)
費やしたお金は(部品代・開発環境を整えるための費用等すべて合わせて)合計10万円くらいでしょうか・・・。

ま、PC1台組んだのと同じだと思えば・・・でもやっぱり高い授業料です(涙)。

ちなみに費やした時間は、日平均2時間くらい。
一日中のめりこんでいる日もあれば、まったくやってない日が続いたときもあります。
ま、気持ちが乗らないときにやっても、うまくいかないものですし。

さて、それでは名もなき試作機たちの紹介です。








試作機1号機


試作機1号写真 もはやどんな仕様だったか思い出すのも困難な位、前に作った機体です。
(といってもたかだか1年ちょっと前ですが。)

秋月製、「ステッピングモータ駆動キット」(だったっけ?)についている
ステッピングモータ×2で作った機体です。

直進と、壁を見つけたら停止、右か左かに一度だけ旋回することしか
できない機体でした。

フレームはアルミですが、あまりにもお粗末な工作精度
(中学生の方がまだうまいくらいです)だったため、当然まっすぐ走れませんでした。

また、接触不良が頻発しました。(コネクタの設計がまずかったからでしょう。)

タイヤは「タミヤ楽しい工作シリーズ」のナロータイヤをつかってます。
それから、前輪として同じく
タミヤ楽しい工作シリーズの、ボールキャスタが入っています。












試作機2号機



試作機1号機を完全に分解し、使い勝手の良い部品を継承し、それ以外を新規に作り直す、
という方法で作った機体です。

やっぱりフレームの工作精度は悲惨です。ぜんぜん向上してません。当時は、
「とりあえず、フレームは後回しで他のところを完成させるんだ」などと言い訳していましたが。

センサ回路は 晋乃介エンジニアリングさん(http://homepage1.nifty.com/powder/)
のものを、ほぼそのまま使わせていただきました。(この場を借りて御礼申し上げます。)
以後、ずっとこのセンサ回路で製作しています。

・・・私にはセンサ回路設計のセンスはないですね。役に立たないものならかつて作りましたが・・・。
(CDSとLEDを組み合わせたものです。外乱光にめちゃくちゃ弱くてそのままでは使えませんでした。
後にカバーをつければ何とか使えるらしいことが分かりましたが。設置面積の都合で使ってません。)

CPUはAVR、モータ駆動回路はMP4012というトランジスタアレイ(?)です。
パルス分配は74シリーズを組み合わせてやってます。

実は現在も残っていて動く、唯一の試作機です。
超低速ですが、右手法までやってしまう優秀な機体でした。・・・フレームを除いては。
試作機2号写真












試作機3号機



試作機1号・2号機は、多くの問題を抱えた機体でした。

まず、致命的なことに、モータが・・・・
・トルクが出ない。
・7.5度刻みでしか回転できない。
・形状が取り付けに不便。
などなど、困ったこと満載だったのです。

また、トランジスタでモータを動かしていたため、速度が出ませんでした。
それらの問題を解決すべく作ったのが3号機です。



その後の試作3号機。
相当手を入れた
思い入れのある機体です。
ただし・・・
まともに走りませんでしたが・・・。

モータドライバにSLA7033Mを使用。ステッピングモータはKP4M4−019というジャンクで手に入れたモータ。
(なんでもフロッピードライブ駆動用だとか。)3.6度刻みで制御できるので、即採用となりました。

センサは松下製のON2173という物を使いました。
1個480円もしたのでかなり痛かったですが・・・検出精度は大変良いものでした。

パルス分配はPICでやっています。
メインCPUはH8/3048F。秋月のAKI-H8ボードです。

さて、肝心の性能ですが・・・。
SLA7033Mのおかげで確かにスピードは出ました。センサも抜群・・・。
ですが・・・。車重が重くなりすぎ、車体が進んでくれません。
電池を手で持ってやっと進んでくれます。(かなりの速度で)

センサにも問題がありました。センサ自体が重くて、基盤がたわんでしまうという
あまりにも致命的な弱点です。結局この機体は、直進・旋回・高速走行(ただし電池は別)
しただけで終わってしまいました。















試作機4号機


試作3号機の弱点を克服すべく・・・
・強力なモータを使う
・軽いセンサを使う
・センサ基盤を小さく作る。
という点に気をつけて設計、製作したものです。

ここから、かなり、フレームの工作精度が良くなっています。(実は2・3度作り直した後のものです。)

センサを増やしたことにより、発熱がひどくなったため、放熱板を付け加えています。

モータは日本サーボ製の強力なモータです。はっきり言ってマイクロマウス用としては
不向きなくらいパワーがあります。
当然パワーの分、重くて幅の大きなモータです。(この点がマイクロマウス向きでない)

加速度・最高速度という点では、私が作った中で最強のマウスです。
壁を「削るようにして」、鋭く直進します。(実際何度か削ってしまいました。)


また、今まで分けていたモータドライブ回路と、CPUを一体化しました。
今までこれらがコネクタでつながれていたせいで、何度も誤動作を起こしていました。

一体化したせいでそれはなくなりました・・・が。
一体化の弊害は電源部に発生しました。

3端子レギュレータが異常発熱し、挙句の果てにつぶれたり、レギュレータの足が
金属疲労で折れたり(しょっちゅう放熱板をつけたりはずしたりしていたせい)しました。

けっきょく、電源部の設計がまずいせいで、この機体は全く動かなくなりました。

ですが、ここで犯した間違いはすべてAVE-1で改善されています。
AVE-1は電源部はシンプルになり、配線はとても太い線材で行っています。

レギュレータは78シリーズでなく、LM2940CTを使うことにしました。
モータはパワーをかなり落とし、その代わり大幅に車体幅を小さくできるKH39FM2−801にしました。
センサはかなり作りこんだので、4号機のものをそのまま流用しています。

また4号機から、電池をはんだ付けした物を使うようになりました。
今まで電池ボックスのものを用いていましたが、とりまわしが悪く、接触抵抗が高い等悪い事づくしでした。
(実際には電池1本ずつ充電できるので、電池の長期使用という点では電池ボックスの方が上でしょう。)



現在はモータとメインボード
だけが残ってます。





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