「部品調達って大 変そう」




 はい、面倒です。面倒ですので、やらなくてもいいです。
 ・・・というわけにはいかないので、ちょっとでも苦労を減らす方法をお教えしましょう。
 まず、都心部にすんでいる場合。東京近郊・大阪近郊だと、
 「電気街」 があります。大阪は「日本橋(にっぽんばし・ 「にほんばし」は東京)」
 東京だと「秋葉原」 、どちらも有名な電気街です。

 ただ、最近は「電気街」とはほど遠いものになってきました。
 昔とはちょっと違った人達が歩く町になっています。
 多分この「CPUの創りかた」を読ませると、 
 文章でなく挿絵の方のみに興味を示す方々が多くなっていると思います。
 きっとこの「CPUの創りかた」は、そういった人々の心を動かし、
 かつての「電気街」に引き戻そうという大きな野心を持ってかかれたもの だと思います。

 ・・・違う?

 ・・・ま、いいです。

 そうそう、部品調達ですね。
 一箇所に店舗情報が集まったものとしては ラジオモールさんと いうページがあります。
 これは便利です。ただ、秋葉原に関しては有名な店が2件ほど抜けているので、後で補足します。

 とりあえず、東京近郊・大阪近郊に住んでいる、もしくはこれらの場所に出張・勉学・その他の
 理由で行くことがある、という方は直接行くのがいいです。

 そ うでない人は、この次にある「通信販売」の項を読んでください。
 決して面倒でないことが分かります。
 

 
 直接出向いて部品調達する場合の注意点

 1・部品リストを作りましょ う。
 2・ 10個・100個単位で買うことも考えましょう。
 3・余分を買っておくと良いでしょう。
 4・ ちょっとくらい高くても、対応の良い店で買いましょう
 5・帰る前に、買い忘れがないか見直しましょう。
 



 1.部品リストを作りましょう
 
 部品リストは自分で作ったほうが良いですが、ここにも載せておくことにします。





TD4部品リスト(ありがたくないコメントつき




 ロジックIC

 74HCシリーズDIPタイプ←こう指定しないと、げじげじ足でないものが出てくる場合がありま す)


 74HC10     1つ
 74HC14     1つ
 74HC32     1つ
 74HC74     1つ
 74HC153    2つ
 74HC154    1つ
 74HC161    4つ
 74HC283    1つ
 74HC540    1つ


 全部で9種類、合計13個になるはずです。
 買い忘れに注意しましょう。



 ICソケット
 

 14ピン     4つ
 16ピン     7つ
 20ピン     1つ
 24ピン     1つ(注意・購入した154にあわせてください。多分幅の狭いタイプになると思います。)

 

 ICソケットはたいていプラスチックでできています。ということは、半田付けに失敗してこてが当たると
 簡単に解けてしまうわけです。また、間違ってつけたとき、はがすのが大変です。
 こういった事情から、倍以上の数を買っておくと良いでしょう。
 最低でも14・16ピンのものは10個ずつくらいはほしいですね。



  抵抗


 100Ω      各 20個ずつ位
 1KΩ
 10KΩ
 100KΩ
 3.3KΩ            5個程度
  33KΩ     5個程度


 いずれも、必要数より多く買っておく方がいいでしょう。
 3.3KΩと33KΩ以外は、複数使うことになるので、100個単位で買っておくことをお勧めします。
 

 コンデンサ


 10μF 16V 電解コンデンサ      5つ
 100μF 16V  電解コンデンサ               5つ
 10μF 16V  無極性電解コンデンサ  3つ
   0.1μF    積層セラミックコンデンサ 30個



 これらも単価が安いので、多めに買っておくことをお勧めします。

 ※ 無極性電解コンデンサが手に入らなかった方へ
 
 メーカー保証外の使い方となってしまいます が、通常の電解コンデンサは逆向きに
 電流が流れてもある程度は持つようになっていま す。

 そこで、大体10μF 25V 位の電解コンデンサを 使えば、耐圧が大きいので、代用できる
 可能性はあります。(事実私は、短い期間でしたがそういう使い方をしていました。)

 ただし大きな電圧が逆にかかった場合は、破裂の危険性が あります。
 通常の電解コンデンサを無極性のものの代用として使う場合は、それらの危険性などを
 踏まえたうえで、行ってください。当然自分の責任においてやってください。
 
 私のところに怒鳴り込まれたとしても、なんとも責任のとりようがありませんので。

 それが嫌なら、がんばって無極性電解コンデンサを手に入れてください。
 通信販売とか使えば、なんとかなりますよ・・・多分。

 LED

 発光ダイオード 赤色・緑色  合計20個程度

 
 うまく使うとテスター代わりになります。 また、見た目が派手なので多 めに買っておいて損はないです。
 ただし白色とか青色は、高価で使い方が赤色と緑色と少し違うため、避けた方が良いでしょう。



 スイッチ類
 

 プッシュスイッチ           2つ
 切り替えスイッチ           2つ
 ディップスイッチ(スイッチ4つ)   1つ
 ディップスイッチ(スイッチ8つ)  16個


 プッシュスイッチは、耐久性のありそうなものを選びましょう。手動でクロックを与えるとき、
 何度も押す必要があるからです。ぼ ろいスイッチだと、その過程であっさり壊れてくれます
 
 切り替えスイッチは、たんなるスイッチと間違えないようにしてくだ さい。
 切り替えタイプのものは、足が3の倍数本ついているはずです。

 ディップスイッチは、店によって&製造メーカによって&品種によっ て、値段が軽く 倍以上違います
 16個も買うのですから、安い店を探しましょう。
 それから、プログラムのたびに切り替えるのですから、耐久性も重要です。
 あまりに華奢なスイッチがついているものだったら、心配ですね。

 
 電源周り
 

 安定化電源・もしくはACアダプタ(5V)  1つ
 コネクタ(電源接続用)            1つ



 ACアダプタを買うのが一番楽でしょう。5VのACア ダプタがない場合は、電圧を変換する
 ICを使う方法もありますが、ここではあえて説明を省きます。(ちょっとだけ知識が要りますので。)



 その他の部品


 電子ブザー(自励式)          各1つ
 74HC04
   14ピンICソケット



 自励式(電源をつなぐだけで音がなるタイプ)のブザーを買いましょう。 そうじゃないと音が出ません。
 ドライブ回路としては、巻末にあった74HC04がいいと思います。これを買うなら当然、14ピンの
 ICソケットも買い足しておいてください。
 

 ダイオード(1S1588相当品)                 200個
 
 もしくは

 ダイオードアレイ(D9-1C もしくはそれに類するもの) 16個以上


   DIPスイッチを全部(16個)つける場合、128個ものダイオードが必要です。
 1個単位で買うよりも、10個・100個単位でのまとめ買いをすると良いでしょう。(後述)

 問題は、ダイオードアレイです。これは日本橋では入手不能な気がし ます。
 秋葉原では見かけたことがあり ますが、それ以外ではないです。
 こういう場合は通信販売を利用しましょう。(後述・ひょっとすると見つかるかもしれません。)

  

 ユニバーサル基板 サンハヤト ICB-98GU       1個

 
 このユニバーサル基板は大きくて使いやすいですが、とっても高いです
 これと同じように、電源の線が出ているタイプのユニバーサル基板で、もっと安いものがあります。

 例えばサイズ的に小さくなりますがICB-97Uだと定価は950円で す。
 たぶん1枚には収まりませんが、2枚を線でつなぐとしたら2000円以内に収まります。
 こ のあたりとにらめっこして決めてください。
 特徴に「電源ライン入り」、材質は「ガラスコンポジット」か「ガラ スエポキシ」のものが扱いやすくてお勧めです



 作るのに必要な消耗品とか
 

 リード線          適当
 半田            適当
 半田吸い取り線      適当


 消耗品なので基準はありませんが、「多ければ多いほど良い」とあえ て言っておきましょう。
 リード線なら50メートル巻き1つ、半田なら500グラムの巻き1つ(あわせて2000円ちょっと)
 これだけあれば、まず困ることはないでしょう。

 半田吸い取り線は、使う人だけ使ってください
 (私は半田吸い取り器をお勧めします。)


 工具類とか



 半田ごて(20W・先の細いもの)     1つ
 テスタ                    1つ
 こて台(こて先を整えるスポンジつき)  1つ
 半田吸い取り器              1つ
 ラジオペンチ                 1つ
 小型のニッパ                1つ
 先の細いピンセット            1つ



 テスタは、本に載っているものを参考にすればよいと思 います。
 でも実際千円ちょっとのものでもなんとかなりますので、無理に高価なものを買わなくてもよいでしょう。

 半田ごては、20W~22W程度で先の細いものを選びま しょう。30Wのものだと作業のペースは
 上がりますが半田が溶けすぎて、困ることがあります。
 また、ICの足に(ICソケットの足に)半田付けするのですから、先が細い方が楽です。

 こて台は、スポンジが付いているタイプのものが、こて先を整えることができて便利です。
 半田吸い取り器は、吸い取り口の細いものを選ぶと作業 効率が上がります。
 100円ショップでも売ってますが(おどろいたことに)、失敗したときのことを考えるとよいものを
 買っておくべきでしょう。

 残りは、100円ショップで見繕っても問題ないです。

 



 2・10個・100個単位で買うことも考えま しょう。


 
値段は良く見ましょう。10個以上使う部品だったら、まとめて買っ た方が得なことが多いです。
 たとえば、ダイオードなんかは16×8個もつかうので、 まとめて買った方が得です。



 3・余分を買っておくと良いでしょう。 
 

 ICソケットなどは、うっかりこてを当てすぎて駄目にしてしまうことがあります。
 余分を買っておくと良いでしょう。


 4・ちょっとくらい高くても、対応の良い店で買いましょう。


 電子パーツは「マニア向けの店」と「親切丁寧な店」に分かれます。
 「マニア向け」の店は、珍しい部品を売っていたりしますが、大抵初心者には冷たい
 (冷たく感じる)場合が多いです。
 
 「親切丁寧な店」は、大体応対を見ていると分かりますが、とんでもない「おろかな質問」
 にも、ちゃんと答えてくれるような店です。
 
 残念ながら、その分値段に上乗せされていることがあります。
 完璧に2つに分かれるわけではないですが、大体そうだと言い切って もよいでしょう。


 前者の店で、部品リストをだして「これ全部そろえて」というと、いろいろ問題が生じる場合が
 ありますが(必ずしもそうではないですが)、後者の店だとちゃんとそろえてくれます。(多分)
 
 どこがどっちだとはあえて言いません。(私の主観が入るので)
 でも、店を選びましょう。店内をみていて、他のお客さんに対する対応を見ていれば
 分かるところも結構あります。ちなみに、「CPUの創りかた」を扱っているような店だと、
 ある程度対応してくれるようです。(何せその本の意図を知って置いているわけですから。)

 でも、どっちの店で買っても「部 品が壊れていた」って駆け込むのはなしね。
 10割中9割が「壊れていた」ん じゃなくて「壊した」んだからさ。

 (実際最初っから壊れていた、というのは本当に稀なのです。)
 
 ってことで、予備は買っておいたほうがいいですよー。


 5・帰る前に買い忘れがないか見直しましょう。

 たいてい、買い物が終わったあとは、充実感か疲労感かが全身に満ち溢れていて
 (後者だと嫌なんですけど、何10件回っても見つからないとそうなりがちです)
 「さて、帰るか」と、とっとと帰ってしまいがちです。

 ちょっと待った!

 ほんとにちゃんと全部買いましたか?どっか座れるところを見つけて、今日の収穫を確認してください。
 私はよくこれを怠って、「あーあ、買い忘れた」ということが結構あり ます。

 交通費も馬鹿にならないん ですから。ちゃんと調べて帰りましょう。
 特に、地方から秋葉原へ出てきている、そこのあなた!(あ、私もか。)
 ここでしか買えないものも結構あるんですよ!

 ちゃんと調べといてくださいよ!
 

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